訪問介護で料理を作る際のコツ

意識すべきこと

訪問介護で料理をする際に意識したいのが、「利用者の状況や好みに応じて栄養バランスの整った食事を時間内に作ること」です。歯の状態が悪い人の料理を作る際は細かく刻んだり、柔らかくなるまで煮込んだりしなければなりません。高齢者は薄味を好む傾向があるので、調味料の加減が必要でしょう。その上で、栄養バランスを考える必要があります。

料理をすることだけが仕事ではない

料理はあくまで提供するサービスの中の1つなので、料理以外のスキルも大切です。料理が好きな人はどうしても他のスキルが疎かになりがちです。自分の料理に自信があっても、それが利用者の口に合うとは限りません。味の好みはそれぞれの食事環境によって異なります。また、その日の体調によっても変わるでしょう。味が美味しくても嫌いな食材が入っていたら食べてもらえないかもしれません。
加えて、時間配分も重要です。料理だけでなく、掃除や身体介護などの仕事を限られた時間の中で行う必要があります。ゆっくり時間をかけて料理をする余裕はないといってもいいでしょう。手際よく料理を作ることを意識してください。

料理のスキルを磨くには

料理のスキルを磨くのであれば、まずは和食から作ってみることをおすすめします。利用者は高齢で、和食を好む人が多いです。「みそ汁」「おひたし」「煮物」などは定番なので、まずはこの3つを極めてみてはいかがでしょうか。ベースとなる味付けを覚えておけば、冷蔵庫にある食材を使って簡単に調理できます。もちろん、和食ではなく洋食を好む利用者もいるので、相手の状況に応じて料理スキルを磨く姿勢も必要です。
事前に好みの料理や味付けを聞いておくのもいいでしょう。好みに合わなくて一切食べてくれなかった場合、作り直しになる可能性があります。また、利用者によっては嫌いな料理でも我慢して何もいわずに食べることもあります。そういったことがないように、あらかじめ確認しておきましょう。

やってはいけないこと

利用者本人以外の料理をしてはいけません。利用者の家族の分まで料理をすると、介護保険制度に違反することになってしまいます。家族の分も料理を作ってもらえないかと聞かれることもあるでしょう。その際にはきちんと説明して断るようにしてください。
また、事前に作った料理を持ち込むことはできません。利用者の自宅に私物を持ち込むことは禁じられているためです。あくまで利用者の自宅にある食材だけを使用しましょう。食事の作り置きに関しては要相談です。作り置き自体は禁止されていませんが、いつ作った料理か分からなくなり食中毒を引き起こすリスクがあるためです。